シネマの舞台裏2

Yu kaneko(批評家・映像作家)のブログ

初国知所之天皇 ライブ!

johnfante2011-06-21

『初国知所之天皇』(はつくにしらすめらみこと)
 監督:原將人/ライブ映写!ライブ演奏&ライブナレーション!
 幻のオリジナル全長版 8ミリ+16ミリ 
 復活ライブ上映!
2011年7月3日(日)15時スタート 
 21時15分よりトークショー『身体×撮影÷記憶=映画』
 ゲスト 大津幸四郎(監督/撮影『水俣』『三里塚』など)

上映時間約5時間10分(途中休憩4回あり)
 第1幕 奈良+北海道編 15時00分〜15時50分
 第2幕 伊勢〜金沢編 16時00分〜17時10分
 第3幕 京都〜出雲編 17時20分〜18時30分
 第4幕 九州・高千穂編 19時00分〜20時15分
 第5幕 鹿児島少女編 20時25分〜21時10分
キッド・アイラック・アート・ホール
京王線明大前駅下車徒歩1分・明大通り沿い甲州街道手前左)
予約2500円 当日3000円 幕見1幕700円 予約 03-3322-5564 arthall@kidailack.co.jp


『初国知所之天皇』8ミリ版、34年ぶり上映 
 ロードムービーを通して映画の始原を問い続ける原將人。その代表作『初国知所之天皇』のオリジナル8ミリ版が全編復元され、原の演奏付きで34年ぶりにライブ上映される。政治の季節が過ぎた1973年という時代を鮮烈に反映した傑作がよみがえる。
 68年に高校生映画作家として登場した原は、大島渚監督の脚本を手がける一方、古事記を題材に日本国家の起源を探る16ミリ映画の制作に乗り出すが、挫折。傷心の原は8ミリカメラを片手にロケ予定地の出雲や高千穂を単身でたどる。同作はその旅の記録だ。スピードが変えられる8ミリの特性を生かし、1秒4コマのスローモーションで7時間かけて上映した。
 8ミリフィルムは78年に原が住む埼玉県入間の米軍ハウスで火災にあう。幸い16ミリに引き伸ばしたネガが現像所にあり、以後の上映はこの16ミリ版で行われた。原は熱で変形した8ミリフィルムの箱を「遺骨のように持っていた」が、京都移住後に中身の無事を確認。2009年から部分的に上映してきたが、全長版の上映は火災以来初だ。「映画の撮影は未来を過去にする作業。上映は過去を未来に差し戻し、集合的な記憶にする過程」と原。
 (日本経済新聞2011年2月1日付『文化往来』より)