批評家の金子遊です。故水井真希さんの件ですが、法的にも実際にも当方による性加害の事実はありません。しかしながら、ひとりの女性の心を傷つけたことを心底から反省しています。ご本人、ご遺族に心からのお詫びを申し上げます。
執筆をはじめとする、すべての表立った活動を中止します。
本務校へは、休職を届け出ました。また、この件より前から、別の理由で年度末での退任を申し出ています。
今後はカウンセリングや研修を受け、持つべき倫理観、女性の人権や尊厳についてなど、一から学び直し人格を矯正します。
最後に、これまで当方を信頼し、各方面で関係して下さった皆さまに、ご迷惑やご心労をおかけしていることを深謝致します。
2023年8月8日
【追記】本コメントの一部を事実に即した記述に改めました。(2023/8/28, 9/1)
水井真希氏への弔意とツイッター投稿について
批評家の金子遊です。はじめに、この度亡くなられた故人・水井真希氏につきまして、心からお悔やみを申し上げます。
現在、水井氏個人のツイッター・アカウントに「K」の性犯罪やストーカー行為について書いた投稿が掲載されています。彼女は名指しを避けましたが、この「K」は当方を指しているのではないかと思います。ですが、当方は氏の主張するような違法行為は一切しておりません。不徳のいたすところにより、生前の水井氏から恨みを買う行動(不貞行為、彼女がリストカットをした過去について取材してしまい、彼女の心を傷つけたこと)があったことは事実です。それは道義的に過ちだったと考え猛省しています。11年前は、人としての正しさや思いやりが欠けていました。今後は同様のことを起こさぬよう全身全霊で自己を改善します。
<経緯>
2012(平成24)年に、当方が水井氏にしたと彼女が主張する「性犯罪」や「ストーカー行為」は、事実ではありません。ですので、当方はこれを否認し、これまで法的に対処してきました。2020年に、警察の任意の事情聴取を一度だけ受けましたが、それきり連絡はありません。ここでは故人への二次加害を避けるために客観的な事象のみを述べます。平成25年の水井氏が原告になった横浜地裁の民事訴訟と平成26年の東京高裁の控訴審においては、当方が勝訴し、水井氏の上記の主張は退けられました。また、当方が原告となり、平成27年に千葉地裁で仰いだ判決でも、被告の水井氏の反論は退けられて、当方に対する名誉毀損が認められ、彼女はツイッターの投稿記事の削除を命じられました。
<削除命令>
このような経緯があって、水井氏は令和4年7月から12月にかけて、匿名の「K」について約35件のツイッター投稿記事を書いたのだと思います。東京地裁は令和5年7月27日に、水井氏による「K」への名誉毀損を認定し、すべての投稿に削除命令が出て仮処分が決定しました。その事実を判決書類の一部によって示します。上記の不法な投稿記事をリツイートして拡散したり、引用をして投稿した場合など、誹謗中傷は名誉毀損罪に問われる可能性があります。
(下記は判決文の一部です。個人情報などは伏せています)
故人の尊厳やご遺族の感情を考慮し、この場で水井氏による個別の投稿の正否に立ち入ることは控えます。このところは訴訟を通しての関係ばかりでしたが、もとは実入りの少ない映画業界で踏んばってきた人間同士です。氏の冥福を心からお祈りします。
令和5年7月31日
連載「アート・フィルム」第3回
水声社のメルマガで毎月連載している「アート・フィルム」が、3回目まできました。
「イタリアの未来派と映画」と題して、マリネッティと未来派映画宣言、ブラガーリアのフォトディナミカ、映画『タイス』などを論じています。
http://www.suiseisha.net/blog/?page_id=18253
上記ページの「特別付録2」で読むことができます。
『森のムラブリ』DVD発売
拙作のドキュメンタリー映画『森のムラブリ』が、7/7から発売になりました。
株式会社アースゲートが販売元で、全国のショップ、ネットショップ、レンタルビデオ店などでお手にとってみてください。
特典映像に、短編映画『黄色い葉の精霊』が収録されています。
http://www.eh-gate.jp/item.php?id=327
「ムラブリ族のフィールドワーク」トーク
金子遊×伊藤雄馬「ムラブリ族のフィールドワーク」
『インディジナス: 先住民に学ぶ人類学』(平凡社)刊行記念
7/9(日)19時〜 本屋B&B(オンライン開催)
イベント詳細 https://bb230709b.peatix.com/
ゾミアの森の民を追った記録や、未開社会といわれる辺境を撮影した映像作品を掘り下げた、金子遊さんによるユニークな映像人類学的探究の論集『インディジナス: 先住民に学ぶ人類学』が平凡社から刊行されました。
インディジナス(先住民)のサスティナブルで自由な生き方を追った記録映画『森のムラブリ』をはじめ、インゴルド、タウシグ、クラストルらを論じながら、アートと人類学の間にひらかれる新しい景色が立ち上がるような一冊です。
本屋B&Bでは、映画『森のムラブリ』の監督でもある金子遊さんと、ムラブリ語を研究する言語学者であり、同作の現地コーディネーターを務めた伊藤雄馬さんによるトークイベントを行います。
本書や、映画『森のムラブリ』におけるお二人のフィールドワークについて深く掘り下げつつ、「人新世の時代に、狩猟民の生活から学べることはなにか」といった森の叡智に触れるような、貴重な対話の時間となりそうです。ぜひご参加ください。
アジア本NOW
共同通信のグループ会社、NNAの「アジア本NOW」のコーナー。
7/7に発売のDVD『森のムラブリ』と、拙著『インディジナス 先住民に学ぶ人類学』が紹介されました。
https://www.nna.jp/nnakanpasar/backnumber/230701/book_001/
連載「アート・フィルム」第2回
水声社のメールマガジン「コメット通信」にて、「アート・フィルム」という連載をしています。
2023年5月号では「初期映画からアヴァンギャルドへ」と題して、エディソン社、リュミエール兄弟、ジョルジュ・メリエスの初期映画のなかに、映像アートの息吹が見られるのかどうか、具体的な作品を検討しました。
下記で読めます。