世の矛盾に痛み、版画で表現 津の故久保さんの生き方を友人が語る

世の矛盾に痛み、版画で表現 津の故久保さんの生き方を友人が語る 

中日新聞 2024年7月24日 05時05分

煙突からなびく真っ黒な煙や、工場排水が流れる川を泳ぐどくろの顔をした魚-。津市の木版画家、久保舎己(すてみ)さん(1948~2023年)は、日常の暮らしや戦争、平和などをテーマにした1800点に上る作品の一部に、四日市公害も表現した。友人の金子遊さん(76)=四日市市=は「版画は彼の日常そのもの。公害がすぐ側にあったことの裏返しでもある」と語る。24日は四日市公害訴訟判決から52年。(篠崎美香)

 眼鏡をかけた人の頭部にエントツが生えた「エントツのある自画像」や、ぽつりとたたずむ「塩浜街道の若い労働者」。「いわし がんばれ」は汚れた怪物のような生物が、黒い海から砂浜にはい上がろうとしている。版画は白黒で、ほとんどが判決後の1981年に彫られた。飾り気がないからか題名の真意を突きつける。...