単著『光学のエスノグラフィ フィールドワーク/映画批評』(森話社)が刊行されました。
ここ数年に書いた文章を集めたものですが、映画とフィールドワークを一緒くたになった、ちょっと類をみない本になっていると思います。
カバー写真は、ジャワ島の憑依儀礼のジャティランです。
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784864051606
<紹介>
撮ること、観ること、考えること──。
これらの営みの総体として、映画は形成されている。
ロバート・フラハティからジャン・ルーシュへと連なる映像人類学をはじめ、アピチャッポン・ウィーラセタクン、王兵、ツァイ・ミンリャン、エドワード・ヤンといったアジアの映画作家まで、人類学的フィールドワークと映画批評を横断し、映像のなかに個を超えた人類の歴史、習俗、営みを見出す。
サントリー学芸賞受賞作『映像の境域』を発展させた批評の新地平。
<目次>
【1 光学的イメージの旅】
1 民族誌家としてのアーティスト──マヤ・デレンとヴードゥー信仰
2 ツァイ・ミンリャン、時間を描く画家
3 アピチャッポンと東北の森
4 亜熱帯のコスモポリタン──エドワード・ヤン論
5 台南とシュルレアリスム──『日曜日の散歩者』
【2 民族誌映画のフィールド】
6 神話を彫塑する──ロバート・フラハティ論
7 エスノフィクションの方法──ジャン・ルーシュ論
8 久高島のコスモロジー
9 むきだしの縄文──『海の産屋』と『廻り神楽』
【3 革命と戦争の世紀】
10 革命の民族誌──ストローブ゠ユイレ論
11 光の叙事詩 王兵の『鉄西区』と『死霊魂』
12 リティ・パンと七つの外部記憶
13 ポスト東欧革命の映像──チェコ、マケドニア、ボスニア
14 ソーシャル・デザインとしての太陽花占拠