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共編著『ジョナス・メカス論集』刊

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対談「写真と人類学」『軌跡』vol.2

寄稿「Art Anthropology 16」

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シネマの舞台裏2(金子遊)

金子遊 Yu kaneko(映像作家・批評家)のブログ

『アルナチャール人類博覧会』上映

「東京ドキュメンタリー映画祭2020」にて、12/11(金)15:30〜新作の短編の上映があります。場所は新宿K's Cinema。

「映像の民族誌」特集6「ゾミアの秘祭」のなかで、20分ほどの『アルナチャール人類博覧会』が上映されます。
短編作品をつくるのは久しぶりでした。

詳細
https://tdff-neoneo.com/lineup/lineup-1947/#movie02

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アルナチャール人類博覧会 

インド北東部、東ヒマラヤにあるアルナチャール・プラデーシュ州。中国と紛争中で国境が確定しておらず、多くの少数民族が混住するゾミア(山岳地帯)である。近年まで外国人の入域が制限されていた。チベット系のモンパやニシが暮らす町タワンの周辺では、昔ながらの農村が広がり、人びとはチベット仏教の戒律を守って静かに暮らしている。
そんな静かな山地で、インド政府は少数民族フェスティバルを開催。モンパ、ニシに加えて、東北部からナガ、ガロ、ミゾなど諸民族を集め、彼(女)たちの民族衣装や伝統舞踊を紹介する。そこにはゾミアを観光化し経済効果をもたらすことで、インドの実効支配を強めようとする政治家たちの意図が透ける。カメラはそのさまに19世紀的な「人間動物園」の歴史的な反復を見る。

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監督のことば

東ヒマラヤを旅したのは2013年のこと。アッサム州から、よく墜落する航路のヘリコプターで4000メートル級の峠をこえて、アルナチャールに入りました。チベット仏教の伝統に生きるモンパ、アニミズムに近い精神性を持つニシ、3日間車で山中を移動し、たどり着いたジロで出会ったアパタニの人びと。この旅で撮影した映像をいかにまとめるかが宿題になっていました。

昨年、共編著『ジャン・ルーシュ 映像人類学の越境者』という本を執筆・編集するなかで、ルーシュの自由な短編映画のつくり方に魅せられ、この映画の構成・編集を思いつきました。巨大なインドの辺境において少数民族が国家の一部に登記され、新たな観光と経済のルールのなかで伝統文化が見世物化されていくさまを描いていますが、個人的には撮影に協力してくれた現地の人たちのために映像記録を残したいと思い、何とか完成したものです。