シネマの舞台裏2

Yu kaneko(批評家・映像作家)のブログ

2010-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『夢ばかり、眠りはない』

2010年6月14日に、渋谷のアップリンク・ファクトリーで佐々木友輔の『夢ばかり、眠りはない』を見た。 はっきり言って、この映画は途轍もない傑作である。 もっと精確にいえば、大傑作の一歩手前という感じの映画であり、一歩手前であるからこそ無限の可能性…

〈孤絶 - 角〉をめぐる応答

詩人の岸田将幸さんが昨年2009年10月に思潮社から刊行した、第4詩集『<弧絶-角>』が、第40回高見順賞を受賞した。 歌人の岡井隆さんと同時受賞で、岸田さんは史上最年少受賞とのことである。 去る5月29日(土)に、茅場町のギャラリーマキにて、岸田将幸…

『ザ・コーヴ』横浜公開迫る

いよいよ7月上旬に、太地町のイルカ漁を描いた『ザ・コーヴ』が横浜ニューテアトルにて上映される。 東京都内の上映館が、右翼団体の抗議行動を受ける前に、抗議予告だけで上映中止を決めてしまったが、何とか横浜だけは頑張ってほしいものだ。 上映館前の…

6/26「南島風景」@三浦半島

昨年から今年の頭にかけて、映画祭と映画評論賞で賞を頂いたのだが、それを祝して友人たちが小宴を開いてくれる。 場所は三浦半島の付け根の「秋谷」という土地にある、海と山に挟まれた本作りの拠点サウダージ・ブックス。 相模湾が一望できるカフェであり…

闘うドキュメンタリー時評 Vol.5

今回の「闘うドキュメンタリー時評」は、2010年3月に行われた、座・高円寺ドキュメンタリー・フェスティバルを取り上げた。 高円寺のDocFesで観た、羽仁進の『教室の子供たち』『絵を描く子供たち』と、大島渚の『忘れられた皇軍』を論じている内にスペース…

図書新聞 生野毅氏連載

2010年4月に『ベオグラード1999』の上映が、渋谷のアップリンク・ファクトリーで開かれました。 当日、それを観に来て下さった俳人・評論家の生野毅氏が、「図書新聞」紙上の連載評論に取りあげて下さいました。 バックナンバーがWEB上で読めるようになり…

『ビルマVJ』

『ビルマVJ』は今年のあらゆる映画の中で、最高傑作というのにふさわしい。 <VJ>とは、ビデオ・ジャーナリストのこと。 この映画を見た後では、小型ビデオカメラという機械がこのミャンマーでの革命を映すために生まれてきた、と誰もが信じざるをえな…

『LINE』

現在、ポレポレ東中野で公開されている、小谷忠典監督のドキュメンタリー『LINE』の映画評を書きました。 「ワタシ×家族×ドキュメンタリー」と題されて、『アヒルの子』(小野さやか監督)と2本同時上映中です。 http://eigageijutsu.com/article/15147…