アドルフ・ヒトラーの最後 ②
- 作者: トラウデル・ユンゲ,足立ラーべ加代,高島市子
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 2004/01/25
- メディア: 単行本
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『ヒトラー 最後の12日間』は、ドイツでは社会現象になるほどの反響を呼んだ。
ナチスの負の遺産を抱えたドイツでは、ヒトラーに関して自由な意見をいうのはタブーであり、学校教育を通じて、第三帝国の歴史とその過ちを徹底的に教えこんでいるからだ。
ドイツには反ナチス法というものさえ存在する。映画に批判的な人は、ヒトラーを人間としてえがくことだけで拒否反応を示す人から、究極の悪であるナチズムへの憎しみが軽減することを懸念する人まで、さまざまだという。
ただ、そのうらに共通してあるのは、すべての咎を「悪」という特別な存在に押しつけ、敗戦を機に自分たちが行った所業をリセットしたことへの罪悪感だ。
ナチズムを人々をおそった疫病のように扱うことで、ヒトラーやナチス・ドイツがなぜ生まれたのか、という問いを棚上げにしてしまったのだ。