シネマの舞台裏2

Yu kaneko(批評家・映像作家)のブログ

はじめての小川紳介@オーディトリウム渋谷

johnfante2013-07-13


4月に発売したドキュメンタリーマガジン「neoneo」2号ですが、いまだ売れ続けています。
なんと、増刷に増刷を重ねて、ついに2000部を超えました!
当方は「原発とドキュメンタリー」特集に、「野性のアクティヴィズム」という渡辺文樹の『罵詈雑言』論を寄せました。
それから、自分が担当編集した「21年目の不在 小川紳介」では、カメラマンの大津幸四郎さんにインタビューしました。



そして雑誌の小川特集から発した特集上映「はじめての小川紳介」をおこないます。
7/20(土)〜7/23(火)まで、オーディトリウム渋谷です。
原一男山本政志想田和弘、大島新ほか、ドキュメンタリトのゲストが登場!
当方もトークの聞き手として登壇する予定です。
詳細はこちら http://webneo.org/archives/9860



7月20日(土)
13:00〜『1000年刻みの日時計−牧野村物語』(1986/16ミリ/カラー/222分)

      ゲスト:山本政志(映画監督)

パンク映画監督同士!?の知られざる交流秘話
『闇のカーニバル』(82)『ロビンソンの庭』(87)などの名作で知られ、今は『シネマ★インパクト』を主宰する山本政志監督は、実は小川紳介監督の大ファン!1987年、ベルリン映画祭に共に招待され意気投合、92年に小川が亡くなった時は、葬儀で弔辞を読んだほどでした。『観ずに死ねるか!傑作ドキュメンタリー88』(鉄人社)でも紹介されたパンクな監督同士の知られざる関係が、今明かされる!

20:30〜『牧野物語・養蚕編』(1977/16ミリ/カラー/112分)
      ゲスト:深田晃司(映画監督)

若手劇映画監督から見た「小川プロダクション」
東京人間喜劇』(09)『歓待』(10)などで注目される若手劇映画のホープ深田晃司監督。『独立映画鍋』の一員でもあり、インディペンデントの立場から映画製作の予算やネットワーク作りを真摯に考える監督のひとりでもあります。小川プロといえば、まさに「自主製作・自主上映」で何作もの映画を積み上げてきた大先輩。「作りたい映画を作る」ためのノウハウの歴史と未来が交錯する!

7月21日(日)
13:00〜『三里塚・第三次強制測量阻止闘争』(1970/16ミリ/モノクロ/50分)

14:10〜『三里塚・第二砦の人々』(1971/16ミリ/モノクロ/143分)
      ゲスト:原一男(映画監督)

小川プロと原一男、その意外な接点
ゆきゆきて、神軍』(87)などで知られる原一男監督も、若い頃、小川プロの作品をよく見ていた監督のひとり。『さようならCP』(72)で監督デビューする以前には、新宿区の公会堂で行われていた「三里塚シリーズ」の上映会に足繁く通い、実際に小川プロの事務所を訪ねたこともあるそうです。いずれの作品も強烈なインパクトを持つ原監督が映画を志すにあたり、先輩監督・小川紳介から受けた影響とは?

20:30〜『三里塚・岩山に鉄塔が出来た』(1972/16ミリ/モノクロ/85分)
       neoneo編集室メンバー数人のトーク

neoneoスタッフが語る「三里塚のいまを報告!」
「neoneo」2号を発行するにあたり、今春、編集室のスタッフ数人で現在の三里塚を見て回ってきました。現在も残る岩山の鉄塔の痕跡。かつて小川プロが居を構えた『辺田部落』…巨大な空港は未だ完成に至らず、映画の舞台となった三里塚は、この40年の日本の矛盾が凝縮されているかのような土地でした。駆け足で巡ったその模様を、写真を交えてレポートします。

7月22日(月)
13:00〜『ニッポン国古屋敷村』(1982/16ミリ/カラー/210分)

20:30〜『三里塚の夏』(1968/16ミリ/モノクロ/108分)
      ゲスト:大島新(テレビディレクター)

テレビドキュメンタリストが語る小川紳介
映像制作会社「ネツゲン」代表として数多くのテレビドキュメンタリーを製作し、映画『シアトリカル』(07)の監督でもある大島新さん。ドキュメンタリーに強いこだわりを持ちながら、これまで小川プロの作品を観る機会に恵まれなかったそうです。父親である故・大島渚監督が「もっとも尊敬する作家のひとり」として名前を上げていた小川紳介の作品を、現役テレビディレクターの大島さんは、どのように語るのでしょうか?

7月23日(火)
13:00〜『青年の海 四人の通信教育生たち』(1966/16ミリ/モノクロ/56分)

14:20 〜『パルチザン前史』(1969/16ミリ/白黒/120分)

20:30〜『圧殺の森 高崎経済大学闘争の記録』(1967/16ミリ/モノクロ/105分)
       ゲスト:想田和弘(映画監督)

観察映画vs小川プロ映画!?
現在、新作『選挙2』が絶賛公開中の想田和弘監督。「観察映画」という独自の撮影スタイルは有名ですが、最近は日本の政治状況にも積極的な発言を続けています。小川紳介が名をあげた1960年代は“政治の季節”。小川もまた、その中で独自の映画手法を確立し、ヒトの生きざまを描いていったのです。ふたりの接点を探りながら、ドキュメンタリー映画の未来を探ります!


【料金】
1回券 1200円/3回券3000円(シニア、学生、各種割引はございません)
※『1000年刻みの日時計』『ニッポン国古屋敷村』は1500円
3回券ご利用の場合は+500円でご入場いただけます


主催:neoneo編集室  http://webneo.org/
問合せ先:090-8108-7971(neoneo編集室・佐藤)

【会場】
オーディトリウム渋谷
渋谷・文化村前交差点左折
渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 2F
TEL:03-6809-0538
HP:http://a-shibuya.jp/