シネマの舞台裏2

Yu kaneko(批評家・映像作家)のブログ

特集上映「現代ヨーロッパ映画 (1)」

johnfante2016-07-23

国境を超える現代ヨーロッパ映画250 移民・辺境・マイノリティ
共編著『国境を超える現代ヨーロッパ映画250 移民・辺境・マイノリティ』の刊行後、企画・準備を進めてきた特集上映が8/2(火)〜8/6(土)までアテネフランセ文化センターで開催されます。
8/4(木)の「グルジア映画の魅力」では、スラブ文学者の沼野充義さんとトークにも出演いたします。


詳細 http://www.athenee.net/culturalcenter/program/co/contemporary.html



現代ヨーロッパ映画(1)
−移民・難民・越境・辺境・マイノリティ―
2016年8月2日(火)-8月6日(土)(5日間)
会場:アテネ・フランセ文化センター


混迷の時代に生きる現代ヨーロッパの映画作家たち
移民・難民・越境・辺境・マイノリティ…国境を超える様々なテーマと向き合った彼らの映画表現を、未公開作を中心とした上映と多彩なゲストトークを交えて辿ります。


■上映スケジュール
8月2日(火) 「ドイツ映画の移民と難民」
16:00 『女闘士』(103分)
18:00 トーク:渋谷哲也(ドイツ映画研究者)
19:30 『辛口ソースのハンス一丁』(96分)


8月3日(水) 「アブデラティフ・ケシシュ 作家主義の行方」
13:00 『身をかわして』(117分)
15:30 『クスクス粒の秘密』(137分)
18:00 トーク野崎歓(フランス文学者)+三浦哲哉(映画研究者)
19:30 『身をかわして』(117分)



8月4日(木) 「ジョージアグルジア)映画の魅力」
14:00 『花咲くころ』(102分)
16:00 『希望の樹』(108分)
18:00 トーク沼野充義(スラヴ文学者)+金子遊(批評家・映像作家)
19:30 『花咲くころ』(102分)


8月5日(金) 「フランスと移民」
14:00 『長い旅』(108分)
16:00 『ハデウェイヒ』(105分)
18:00 トーク
夏目深雪(批評家・編集者)+田中千世子(映画評論家・映画監督)
19:30 『長い旅』(108分)


8月6日(土) 「ポルトガル映画の冒険」
13:00 『トランス』(126分)
15:30 『トラス・オス・モンテス』(111分)
17:30 トーク福間健二(詩人・映画監督)
18:30 『トランス』(126分)


ジョージアグルジア)映画の魅力」
ロシアやトルコと隣りあうジョージアは、西洋と東洋の多民族が行き交う要衝の地。ジョージアに特有の因習をテーマにした新旧の名作映画を鑑賞し、スラブ文学者の沼野充義さんに背景にある文化についてお話をうかがいます。
金子遊(批評家・映像作家)



希望の樹 Natvris khe
1977年/108分/35mm
監督:テンギス・アブラーゼ
出演:リカ・ガヴラジャーゼ、ソソ・ジャチブリアニ、カヒ・ガヴサーゼ
原作は詩人ギオルギ・レオニゼの短編小説集。ロシア革命前、農民や牧童が暮らす東部カヘティ地方の山村には、根強い因習が残っている。長老、アナーキスト、学者、神父、夢想家、占い師など民話に登場するような人たちによる群像劇が進み、次第に美しい娘マルタと牧童の悲恋の物語へと収斂していく。


花咲くころ In Bloom
2013年/102分/デジタル
監督:ナナ・エクチミシヴィリ、ジーモン・グロス
出演:リカ・バブルアニ、マリアム・ボケリア
ソ連解体後の内戦が続く、90年代初頭のトビリシ。14歳の少女ナティアとエカは、家庭にも学校にも居場所がないと感じている。ある日、友人の少年から護身用の拳銃を預かったナティアは、人生を変えてしまう事件に巻きこまれる。カフカース地方に残る誘拐婚の因習を扱った、新世代による重厚な女性映画。


■全作品日本語字幕付き
■料金
一般=1500円
学生/シニア=1000円
アテネ・フランセ文化センター会員=800円
3回券 一般・学生・シニア共通=2700円