シネマの舞台裏2

Yu kaneko(批評家・映像作家)のブログ

シャーロット・モーマン

johnfante2010-08-27

シャーロット・モーマン(Charlotte Moorman)というフルクサスに参加した、アメリカのチェリストに興味が出ている。
いくつかの非常に貴重な動画フッテージが、ネット上に出ていたので紹介しておきたい。



1961年頃と推察されるシャーロット・モーマンのネオダダ・パフォーマンス


シャーロット・モーマンの名前が全米的に知られるようになったのは、トップレスのチェリストとしてだった。
1967年には、ナム・ジュン・パイクと組んで「オペラ・セクストリニク」(opera-sextronique)のハプニングを試みた。
だが、服を脱ぎかけたところで、官憲が入ってきて取り押さえられてしまったという。右下の写真がそのときの新聞記事。


 


そのような弾圧にもめげずに、シャーロット・モーマンはナム・ジュン・パイクと共演を続けた。
1969年の「生きた彫刻のためのTVブラ」では、パイクが作ったTVブラをしてチェロを演奏している。
このような映像記録が残っていることは本当に素晴らしい。



ハプニング「TVブラ」(TV-Bra)



「オペラ・セクストロニク」について語るシャーロット。


90年代初頭に、57歳の若さにして亡くなってしまったという。非常に惜しまれる才能であったことだろう。
このインタビューでは、ドイツやアメリカのフェスティバルで、パイクのパートナーしてハプニングやったことを回想している。
ハーフヌードで舞台上でチェロを弾くだけで、どれだけ驚くべき文字通りの「ハプニング」だったか、当時の様子がインタビューからうかがえる。