シネマの舞台裏2

Yu kaneko(批評家・映像作家)のブログ

アフンルパル通信 10

johnfante2010-10-06

大変遅くなってしまったが、「アフンルパル通信」10号について書いておこう。


ついに10号まで到達した札幌発のリトル・マガジンだが、雑誌のカラーが旅と土地を巡る「エッセイ」というところに落ち着いたように見える。
今号では、写真家の大友真志がサハリン島への旅、関口涼子台北トロント宇波彰がトルコ再訪について書いている。



やはり心に響くのは、小川基のアイヌウタリ(アイヌの仲間たち)に関するエッセイだ。
大国のエゴや民族主義には強い嫌悪や怒りすら覚えるが、抑圧されてきた小さな民族の精神と文化の継承には切実なものを感じる。
トンコリと呼ばれるアイヌの弦楽器には、豊かな精神継承の「うた」が込められているに違いない。