シネマの舞台裏2

Yu kaneko(批評家・映像作家)のブログ

共著『アジア映画で<世界>を見る』

johnfante2014-01-07

アジア映画で〈世界〉を見る――越境する映画、グローバルな文化

アジア映画で〈世界〉を見る――越境する映画、グローバルな文化


作品社から、共著『アジア映画で<世界>を見る』が刊行されました。
2012年に刊行された前作『アジア映画の森』と比べると、今回は本格的な批評文を多く含んだ一冊となっています。
出版社詳細ページ http://www.sakuhinsha.com/art/24616.html


当方は、「神話批判論 パレスチナと約束の地」というパレスチナイスラエル映画論、「対談 キドラット・タヒミックとフィリピン・インディーズ」(石坂健治×金子遊)を担当しました。
その他にも「対談 アピチャッポンの森から映画の未来へ」(諏訪敦彦×金子遊)、「座談会 3・11以後の映画の視座」(石坂健治×市山尚三×金子遊 司会・夏目深雪)に参加しております。



対談で取り上げた、キッドラット・タヒミック監督の『悪夢の香り』冒頭部分


特にタヒミックとアピチャッポンについて考えてきたことが、活字になったことは嬉しい限りです。
是非とも書店などでお手にとってみて下さい。



【内容目次】
序論 いま、アジア映画を観るということ 夏目深雪

第一部 映画/アジア
はじめに 最新アジア映画日記二〇一二~一三 石坂健治
第一章 日本⇔アジア映画
アジア映画に接近する、いろいろな方法 四方田犬彦
アジア映画としての日本映画──越境する映画 夏目深雪
アジアの国際共同製作──侯孝賢から賈樟柯まで 市山尚三
【鼎談】東南アジアへ進路を取れ 相澤虎之助(空族)×富田克也(空族)×石坂健治
【インタビュー】イラン映画と日本のあいだ ショーレ・ゴルパリアン 聞き手・夏目深雪
第二章 ジャンル×アジア映画
「敗者」の歴史を越えて──アジアの民主化運動とドキュメンタリー映画 萩野亮
【対談】香港犯罪映画の魅力 宇田川幸洋×野崎歓
【対談】キドラット・タヒミックとフィリピン・インディーズ 石坂健治×金子遊
【対談】アピチャッポンの森から映画の未来へ──実験映画、アート、劇映画の境界線 諏訪敦彦×金子遊 司会・夏目深雪
第三章 複数のアジア、それぞれの映画
【対談】ボリウッド映画の魅力──『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』をめぐって 松岡環×野崎歓
神話批判論──パレスチナと約束の地 金子遊
なぜ今、トルコ映画が面白いのか 野中恵子


第二部 3・11以後の映画の視座
【座談会】3・11以後の映画の視座 石坂健治×市山尚三×金子遊 司会・夏目深雪


第三部 アジア/世界
はじめに──アジア映画はアジアを越える 野崎歓
東風をいかに受け止めるか──ヨーロッパ映画にとってのアジア、そしてアジア映画 野崎歓
「アジアを超えたいアジア」の行方 福間健二
私のアジア映画、四〇年──香港、韓国、中国まで 中沢けい
エドワード・ヤン/チェーホフ──「現代」を描き出すドラマトゥルギーの「古典性」について 森山直人
ポップ、ネットワーク、亡霊──現代アジア映画の文化資本と想像力 渡邉大輔
あとがき 「われわれの」アジアの夢 夏目深雪
編者・著者略歴


【執筆者一覧】
石坂健治/市山尚三/宇田川幸洋/金子遊/空族(相澤虎之助・富田克也)/ショーレ・ゴルパリアン/諏訪敦彦中沢けい/夏目深雪/野崎歓/野中恵子/萩野亮/福間健二/松岡環/森山直人/四方田犬彦/渡邉大輔