シネマの舞台裏2

Yu kaneko(批評家・映像作家)のブログ

neoneo5号刊行記念イベント

johnfante2015-08-28

ドキュメンタリーマガジン「neoneo」最新号の刊行を記念して、戦時中に治安維持法違反で逮捕投獄された亀井文夫監督の上映禁止となった『日本の悲劇』『戦ふ兵隊』の2本の反戦映画を上映し、敗戦70年の現在の日本を問うイベントを開催します。
ゲストに、亀井文夫の娘婿であり作品継承者である阿部隆氏(日本ドキュメントフィルム代表)をお迎えし、貴重な上映&トークを展開します。私も登壇します。


詳細&予約はアップリンク公式サイト http://www.uplink.co.jp/event/2015/39494



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【日時】2015年9月5日(土)
【プログラム】亀井文夫監督作品2本
18:30『日本の悲劇』(1946/39分)※18:15開場
19:25 『戦ふ兵隊』(1939/66分)※19:15開場
※『戦ふ兵隊』上映後、トークあり
ゲスト:阿部隆(日本ドキュメントフィルム代表)×neoneo編集委員ズ(金子遊、吉田孝行、若林良)
※ドキュメンタリーマガジン「neoneo」5号とバックナンバー、亀井文夫関連作品のDVD販売あり


【料金】
『日本の悲劇』\1,200/ アップリンク会員、neoneo5号持参か購入で\1,000
『戦ふ兵隊』+トーク \1,500/ アップリンク会員、neoneo5号持参か購入で\1,200
【会場】
渋谷 UPLINK FACTORY(1F)
〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町37-18 トツネビル1階
tel. 03-6825-5503 factory@uplink.co.jp



『日本の悲劇』
(1946年/39分/モノクロ)
監督:亀井文夫 編集:亀井文夫、吉見泰 
録音:東亜発声 製作:岩崎昶 製作会社:日本映画社


なぜ、日本は破滅の道に突き進んでいったのか
「侵略行為」を問う亀井の野心的実験作
1945年8月、日本は近代史上最悪とも言える歴史的な敗戦を喫した。なぜ、日本は勝てる見込みのない戦争に踏み込み、数え切れないほど多くの生命を奪う/失うこととなったのか。亀井文夫が日本の“侵略”行為を、さまざまなニュース映像を再編集することであらためて振り返ったドキュメンタリー。ラスト、昭和天皇が軍服姿から制服姿へとオーバーラップするシーンは圧巻で、公開後1週間でフィルムが没収・上映禁止とされた問題作。



『戦ふ兵隊』
(1939年/66分/モノクロ)
監督・編集:亀井文夫
撮影:三木茂 撮影助手:瀬川順一
録音:金山欣二郎 現地録音:藤井慎一 
音楽:古関裕而 製作:松崎啓次
製作会社:東宝文化映画部


戦禍における人間の普遍性に焦点を当てた
戦争ドキュメンタリーの原点であり最高峰
日中戦争における戦意高揚を目的として、陸軍からの要請により制作された「プロパガンダ映画」のはずが、出来上がったのは映画史上特筆すべき「反戦映画」であり、またドキュメンタリーとしての魅惑に満ちた作品だった。亀井文夫は兵士の勇猛さではなく、兵士たちの人間性や、中国人の悲しみを徹底的に見据え続ける。検閲により上映不許可となり、長く幻の作品となっていた「亀井の原点」であり最高傑作。