※カナダの公営放送が制作したリアリティ番組についての話です。
The Week The Women Went
2007年の夏。
カナダのアルバータ州Hardisty(人口760人)で、「町から女性がいなくなったらどうなるか?」という社会実験的なリアリティ番組が撮影された。
公営カナダ放送協会(CBC)が放映する番組の一環で、女性住民のほとんど(85%)が1週間リゾート地に送り込まれ、子供の世話などが残った男性に任された。
最近の政府統計では、カナダの家庭の70%は女性が切り盛りしており、そうした女性の大多数がフルタイムの仕事も持っていることが示されている。
CBCのクリエーティブ部門の責任者クリスティン・レイフィールド氏は「この種の番組は人々の対話を喚起するのが狙い」とコメント。
実際に同番組は、「性差別主義的だ」といった地元メディアの批判をはじめ、インターネット上でも活発な議論を呼んでいる。
女性がいない一週間
女性全員が荷造りをして、小さな町を出ていったらどうなるのか?
どんなカオスが巻き起こるのか?
子供たちは大丈夫なのか?
男たちはだらしくなくなり、パブでぶらつくのでは?
ハーディスティの町は「本当に女性がいない生活がどんなものか」を体験しようとしている。
番組「The Week the Women Went」は、すべての女性が1週間のバケーションに出かけた場合、どんなドラマが起こるのかを記録する。
女性は家族と接触をしてはいけない。
すべては男性陣にまかされて、彼らは普段通り仕事をしながら、家事と子供の世話を切り盛りする。
それに町全体の運営もしなくてはならない。
この大規模な社会実験のために、117人の女性がハーディスティの町を1週間離れることになった。
一部の女性が仕事のために参加することができなかったが、85%が参加することができた。
この地域活性化プロジェクトのために、Paperny Films社が1万ドルの寄付をした。
Hardisty,Alberta
ハーディスティは760人の居住者からなる町。
アルバータ州エドモントン市の200キロメートル南東に位置する。
絵のように起伏する美しい丘と農地が広がり、牧場を経営する人が多く、鉄道が通っている。
現在、この地域は石油と天然ガスの産業で繁栄している。
CBSによる「The Week The Women Went」参加者へのインタビュー
シリーズのディレクターである国営放送のSally Aitkenは、1つの町でカナダ全体を反映できるような典型的な町を探していた。
撮影プロセスを複雑にしないために、小さな町を選ぶことにした。
最初にブリティッシュ・コロンビア州とアルバータ州の、人口500人〜2000人の町を20箇所ピックアップした。
それから7つにまで絞り、あとは実際に訪問して審査した。
プロデューサーは各市議会で話をして、住人に「どうしてこの町を選んだのか」を話して理解を求めた。
4ヶ月にわたるロケハンの後、最後にハーディスティが選ばれた。
理由は、多様で興味深い住人がいること。
すばらしいパノラマ的な風景、インフラの強力な基盤、精力的な地域リーダーがいること。
それに最初のタウンミーティングのときから、皆がやる気満々だったことがあげられる。