シネマの舞台裏2

Yu kaneko(批評家・映像作家)のブログ

町から女性が1週間消える ②

johnfante2008-07-22

THE WEEK WOMEN WENT


公式HP
http://www.cbc.ca/thewomenwent/


エピソード1


1週間、町から女性たちが消える。
母親、妻、ガールフレンド、姉妹がいなくなる。
男たちは集まって、うるさい女たちがいなくなった後の、楽しいシナリオを話し合っている。
ある男はパーティをして羽目を外そうと言い、他の男は子供との絆を深めようと考えている。


一方で、女たちは子どもを男手に預けて、出かけることで不安になっている。
自分の旅行の荷造りをしながらも、1週間分の家族の食料を冷蔵庫に入れて、男たちが何とかするために必要なもののリストをつくる。
庭の水撒きなどの雑用リストを書いて、それも冷蔵庫の上に貼っておく。 


それぞれの思惑


この「エピソード1」では、来たる7日間に登場する何人かのキャラクターを紹介していく。
地元のレストラン・バーの経営者のマックス(Max Sabati)にとって、女たちがいなくなることは、ガールフレンドのタマラ(Tamara Seidel)がいなくなるというだけの話では済まない。
マックスは店の女性従業員を失ってしまうのだ。おまけに働きながら、子ども3人の面倒を見なくてはならない。
彼は対処できるのだろうか?
「これは大変な試練ですね」とマックスは言う。


トラック運転手のブラッド(Brad McKenzie)にとって、子どもの世話は「簡単なことだ」という。
パイプラインの敷設会社に勤めるダスティン(Dustin Miller)は、「うちは5歳未満の2人の子どもだけだぜ、何をそんなに大騒ぎする必要があるんだ?」と大きく構えている。



36歳の独身者であるサム(Sam Holinaty)は、別居している11歳の息子キートンと7日間過ごすことになった。
2人きりで過ごす時間としては、今まででもっとも長い時間だ。
息子の母で先妻のジュリーは、キートンをいまの夫のジョルダンとその子どもたち3人と一緒に残すこともできたが、サムにとっていい機会になるだろうと考えて、彼に預けることにしたのだ。
サムはそれを全うすることができるのか? 彼はどんなプロセスで、どんなことを発見するのか?


町の男たちが集まって、秘密の会合を開いている。
彼らは「秘密のコミュニティ・プロジェクト」について話し合っているのだ。
女性たちが1週間のバケーションから戻ったときに、何か驚かしてやろうとして。
そして、この「The Week The Women Went」を一生忘れられない記念にするために、色々と計画を練っている。


エピソード2


ついに、その日の朝がやってきた。
女たちを乗せたバスが町を出ていく。
「責任が何もないわ!」 幾人かの女たちは、1週間の休暇を十全に楽しもうと盛り上がる。
ほかの何人かはようやく休暇を得たとはいえ、子どもたちを置いていく罪の意識によって涙してしまう。


カナダでは(おそらく全世界でも)女性たちは、常日頃から不当な労働を強いられている。
彼女たちは外で働いている上に、多くの家事を押しつけられ、おまけにそれに対する賃金を受けることもできない。
しかし、この週は彼女たちにとってユニークな機会となる。
彼女たちだけのための時間を持ち、少しの「人生を振り返る」時間を持つことになる。



一方、町では、男たちと子どもたちが仕事場と学校へ向かう。
あまりに雑用が多いのに、手が足りないとき、人は互いに頼りあうようになる。
ダーシー(Darcy Goodrich)のような子どもは、母親の代わりに父親に助けを求める。
夕方になると、親であるデイヴィッド(David Hays)は、友だちを家に呼び出して助けをもとめる始末だ。


結局、デイヴィッドは4人の子どものうち、小さいの2人を友人に預けることにする。
それには、それ相当の理由があってのことだ。
デイヴィッドは長くて忙しい一日を、自分が経営する牧場で過ごした。
600匹の食用牛に焼印を押して、去勢をした。


デイヴィッドはこの町で続く牧場一家の4代目。
彼の息子たちが5代目にあたる。ブレアとブレイクだ。
2人は父親の料理を味見する。
一日の終わりに、デイヴィッドは本物の「大草原の小さな家スタイル」で料理する。
つまり、ちょうど切り取ったばかりのものをフライにするという伝統である。
デイヴィッドの子牛の睾丸料理がテーブルの上をにぎわせる。


パーティ気分


しかし、農家の人たちだけがパーティ気分なのではない。
町全体を通じて、男たちはお互いに集まってはバーベキューをして、夕飯の問題を片づけようとしていた。
それは地元の酒屋にとって大変な事態を引き起こすことになった。
まだ1日目だというのに、早々と店のワインが売り切れになってしまったのだ。


女性陣の祝賀ムードが次第に盛りあがってくる。
バスがCanmore(美しい湖で有名なバンフの近く)にある、豪華なリゾートに近づいてくる。
とはいえ、何人かの女性にとっては、女たちだけで町を離れて、1週間遊ぶというのは相当にチャレンジングなことである。


たとえば、キャシー(Cathy Belanger)は未婚のシングルマザーで、子どもたちを女手一つで育て上げるのに、苦労を重ねてきた人だ。
おまけに、母親たちがいなくなって解放されたティーンたちは、週末に相当ワイルドに騒ぎまくる計画を立てている。
その計画をひっぱるのは、キャシーの子どもたちなのだ。



※HPに公開されているストーリーは「エピソード2」まで。
 第1回は2008/1/21(月)、第2回は1/28(月)に放映済みの模様。