シネマの舞台裏2

Yu kaneko(批評家・映像作家)のブログ

サウダージ・ブックス

johnfante2008-08-26

友人が葉山におもしろいスペースを開きました。
今回はその「サウダージ・ブックス」で行われるイベントのご紹介です。

                                                                                            • -

Saudade Books 語りの座 vol.1

「はじまりの本のほうへ〜ブラジルから、インドから〜」

語り:淺野卓夫(Saudade Books)×声のスペシャルゲスト:永澤康太さん(詩人)

日時:8月30日(土) 15:00開始
場所:Saudade Books
要予約 e-mail: saudadebooks@aol.com

入場無料・カンパ制



サウダージブックスは、既存の書店や図書館、ブックカフェとはひと味ちがう書物のための空間です。モノとしての「本」にふれる指使いや手触りを入り口にして、書物のありようが秘めもつさまざまな可能性、さまざまな夢を、「こころ」と「からだ」をつかってもう一度手探りしてみるためのオルタナティヴ・スペースです。

さて、ことしはブラジル移民百周年でもありますが、サウダージブックス(淺野卓夫)が3年間のサンパウロ滞在と日系移民のもとでの聞き書きの旅をへて、どうしてここ秋谷・峯山の丘で本にかかわる活動をはじめるようになったのか。それは書物の世界から声の世界に飛び出して、また書物の世界にかえる旅でもありました。言い換えれば、大学研究室の本の山から、本のない野のフィールドに飛び出して、けれどもこんどは、海山のあいだの野でふたたび本とつながろうと思った、そんな学びとひらめきの旅でした。

「はじまりの本」のほうへ。わたしたちのサウダージの感情は、いまどこにむかおうとしているのか? 旅の歩みのかたわらにつねにあった特別な書物――


今福龍太『荒野のロマネスク』(筑摩書房
カレン・テイ・ヤマシタ『ぶらじる丸』(Coffee House press)
吉増剛造『ブラジル日記』(書肆山田)


などを手掛かりに、サウダージブックスのこれまでと未来への想いをみなさんと共有できればと考えています。

当日はさらに、現代詩手帖賞でデビューした若き詩人・永澤康太さんを声のスペシャルゲストとしてお招きして、処女詩集


『lose dog――新しい詩人11』(思潮社


をめぐるトークと朗読をしていただきます。

「素裸(そら)に、掻(か)き汚(つ)ける、… ガンジス川のほとりで火葬を眺めているぼくは誰なのか。方南町の深夜のジョナサンの眩い光はどこにあるのか。「いま」という時間に賭けられた詩人の身体が無数の断片とともにここに束ねられる。」(版元紹介文)

永澤さんの「はじまりの本」である『lose dog』という書物成立の背後にあったインドへの旅、そして詩人の目と耳と手の地を這うような歩みについて貴重なお話しをうかがう予定です。

なお当日は、詩集『lose dog』を販売いたします。ご購入いただいた方には、もれなく特典として、永澤さん手作りのしおりをプレゼントいたしますので、この機会にこちらも併せてよろしくお願いします。


淺野卓夫 1975年山梨県生まれ。ライター&翻訳家。2008年より葉山・秋谷にてSaudade Booksを開始。

永澤康太 1983年東京都生まれ。詩人。2005年現代詩手帖賞受賞。詩集『lose dog』(思潮社、2008年)。


詳細は、サウダージブックスのウェブログサイトでご確認下さい。
Saudade Books
Weblog: http://diary.jp.aol.com/vanp6p8g/