鏡の中のマヤ・デレン
アメリカ実験映画の草分け、マヤ・デレンに関するドキュメンタリー映画『鏡の中のマヤ・デレン』が公開される。
(詳しい公開情報は下記にあります)
http://www.imageforum.co.jp/deren/
『鏡の中のマヤ・デレン』(2001)予告編
アレクサンダー・ハミッド
このドキュメンタリーは短くいえば「マヤ・デレン、その人生と作品」といったところか。
監督のマルティナ・クドラーチェクはプラハの映画学校にいたらしく、『鏡の中のマヤ・デレン』の前にも『AIMLESS WALK』というアレクサンダー・ハミッドについての30分ほどの映画を撮っているようだ。
アレクサンダー・ハミッドはヨーロッパの実験映画作家だったが、アメリカへ亡命してマヤ・デレンと出会って結婚し、彼女の『午後の網目』を一緒に撮った人である。
『The Private Life of a Cat』
上はアレクサンダー・ハミッドとマヤ・デレンの二人で撮った映画である。
二人が一緒に住んでいたロス時代と、ニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジ時代に飼っていた猫の家族を撮影したものだ。
ハミッドはマヤほど高名にはならなかったが、サイレントでうまくショットを繋ぎ、それとない物語にしている手腕は確かなものだ。
マヤ・デレンはどうやら常に好奇心と情熱に浮かされていた人だったらしいが、周囲の人から様々なものをインスピレーションとして受容している。
彼女の映画熱も最初はハミッドの影響が大きかったようだ。
マヤ・デレンに関しては幾らでも書きたいことがあるが、他の場所で書くことになったのでそちらに譲ることにする。
音楽はジョン・ゾーン、出演に黒人舞踊家のキャサリン・ダンハム、劇団リヴィング・シアター設立者のジュディス・マリーナ、もちろんジョナス・メカス、スタン・ブラッケージも登場する。
豪華な出演陣のフッテージだけでもかなり貴重である。