三田文学受賞作・掲載誌
- 出版社/メーカー: 慶應義塾大学出版会
- 発売日: 2011/10/11
- メディア: 雑誌
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三田文学新人賞・評論部門を受賞した掲載誌が発売されました。
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下記は「弧状の島々 ソクーロフとネフスキー」を読んで下さったTさんの感想です。
<…みるみるうちに島が、島しょが、空間を変えスケールを変え範疇を変えながら、また島しょの思想ともいえそうな神話的世界を巡りだした。ぐいぐいと映画の中にまた、民俗学のフィールドにと揺られゆられているうちにその二つがオーバーラップしていつしかひとつに溶解する。その意味では、日本の弓状列島とヤポネシアが重なりさらにロシアが西欧との間に幻想の海により切除され島となり…。
おっと、これは評論文だった。しかし、海の民俗学ともいえる、いや、ニライカナイ幻想ともいえるイメージの発生場所に立ち会ったソクーロフでありネフスキーであり、柳田、折口であるのだろう。なんと彼らはことごとく詩人だったことにあらためて気づかせられる。そして彼方から根から歌が映像の隙間をこぼれながら満たしていく…島尾ミホの島唄だ。全篇が島々へのオマージュであり、太古の神々の足跡が波音に消え去る瞬間の永いながい歴史の圧縮を夢のなかでみているようだ。
「弧状の島々」はみごとな評論文である以上に南島を巡る旅の体験に誘う詩歌でつづられた映画そのものになっていた。>
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三田文学新人賞:小説部門の当選作は長野慶太さん「女子行員・滝野」
◇第18回三田文学新人賞
『三田文学』創刊100年を記念し、例年の「小説」「評論」に「詩」「戯曲」を加えた計4部門で選考された。
小説部門の当選作は長野慶太さんの「女子行員・滝野」、佳作は菅野宗さんの「シネマ・ロマン」、吉増剛造奨励賞に片岡周子さんの「玉響(たまゆら)」。長野さんは慶応大卒、米国在住、45歳。菅野さんは塾講師、東京都在住、32歳。片岡さんは慶応女子高在学中、東京都在住、18歳。
評論部門の当選作は金子遊さんの「弧状の島々 ソクーロフとネフスキー」。金子さんは慶応大卒、フリーライター、神奈川県在住、36歳。
詩部門の当選作は大嶋賢利さんの「ラーク」と吉田誠一さんの「郷愁」、坂手洋一奨励賞に清中愛子さんの「宇宙みそ汁」。大嶋さんは東京都在住、42歳。吉田さんは立教大卒、神奈川県在住、52歳。清中さんは東京芸術大卒、神奈川県在住、31歳。
戯曲部門は該当作がなかった。
賞金は当選作が50万円、佳作が10万円。当選作は10月11日発売の『三田文学』秋季号に掲載される。
授賞式は同29日夕、慶応大三田キャンパス内の南校舎3階大ホールで開かれる予定。
(毎日新聞 2011年9月12日 東京夕刊)
http://mainichi.jp/enta/art/news/20110912dde018040040000c.html