シネマの舞台裏2

Yu kaneko(批評家・映像作家)のブログ

「東京組曲2020」にコメント、監督とトーク

三島有紀子監督の『東京組曲2020』をチョンジュ国際映画祭でいち早く拝見しました。2020年の新型コロナによる緊急事態宣言下、仕事を失った俳優たちが自宅にこもり、自分たちの日常を撮影する…。役者が自分自身を演じるって何だろう?と考えさせられる映画です。

以下のようなコメントが公式サイトに出ました。
https://alone-together.jp/

3年前の緊急事態宣言下、俳優がカメラを回し、自宅で自身を演じる虚実皮膜ぶりに、強いめまいを覚える。
それをリモートで演出し、指揮者のごとく組み立てた監督の手さばきが細部まで宿る。
新しいドキュメンタリー映画の流れが、このドキュフィクションから始まるか?

金子遊(批評家・映像作家)


6/5(月) 17:25の回上映後、イメージフォーラム三島有紀子監督とトークします。
月曜サービスデーですので、この機会にぜひ!

https://alone-together.jp/

https://twitter.com/aTogether2020/status/1663832784606236677

 

ソクーロフ映画でトーク

6/11(日)の夕方、アレクサンドル・ソクーロフ監督の新作『独裁者たちのとき』の上映後、シネマリン横浜でトークに出ます。
ソクーロフ監督にインタビューしたご縁で、劇場から声をかけて頂きました。

ヒトラースターリンチャーチルムッソリーニら、アーカイヴ映像から4人の独裁者たちが蘇る久々の新作ですが、あまりのリアルさに話題になっています。
詳細  https://cinemarine.co.jp/dokusaisha/

6/11(日)上映後、金子遊さん(批評家・映像作家)のトークイベントがございます。
※お席に余裕があれば、次の上映作品「特集上映 歴史をみつめるソクーロフ」『孤独な声』17:45回のお客様もトークイベントのみご参加いただけます。 





連載「アート・フィルム」開始

水声社メールマガジン「コメット通信」にて、「アート・フィルム」という連載をはじめました。

映画前史から映画誕生へ、そして1900年代から20年代にかけて、アート・フィルムの起源をたどります。具体的にはイタリア未来派、絶対映画、ドイツ表現主義、純粋映画、前衛映画、シュルレアリスム映画、ロシア・アヴァンギャルド映画を、具体的な作品の分析を通じて考察します。

2023年4月号では、「映画前史と仮想のイメージ」と題して、映画以前の視覚メディアとメディア・アートの関係について書きました。洞窟壁画、ソーマトロープ、幻燈、フェナキスティスコープ、クロノフォトグラフィ、写真銃などが登場します。
下記で読めると思います。

http://www.suiseisha.net/_sys/wp/wp-content/uploads/2023/04/%E3%82%B3%E3%83%A1%E3%83%83%E3%83%88%E9%80%9A%E4%BF%A1%E7%AC%AC33%E5%8F%B7_%E4%BB%98%E9%8C%B22.pdf




ソクーロフ監督にインタビュー

Zoomでしたが、7年ぶりの新作『独裁者たちのとき』について、ロシアのアレクサンドル・ソクーロフ監督に単独インタビューしました。
 72歳ですが、本当にお元気でたくさん話してくれました。 ウクライナの侵略についても、深いところで考えておられ、あちこちで発言してるとの事でした。

【連載】ドキュメンタリストの眼vol.28 
アレクサンドル・ソクーロフ監督インタビュー text 金子遊
http://webneo.org/archives/51180



全州国際映画祭で『フイルム・フェティッシュ』上映

監督した『フイルム・ フェティッシュ』が韓国の全州(チョンジュ)国際映画祭に出品が決定!「シネフィル・チョンジュ部門」にて、奥山順市さんの実験映画のドキュメンタリーが、ゴダール、レオーネ、メカス、パゾリーニらのドキュメンタリーと一緒に上映されます。アジア・プレミア上映。4/29,30,5/1の上映にあわせ、植山Pたちと韓国に滞在します。
I will go to Korea to screen my new work FILM FETISH at a 24th Jeonju International Film Festival.

韓国の全州(チョンジュ)国際映画祭にて、新作『フイルム・フェティッシュ』の上映&トークしました。街全体が映画祭ムードで、シネコンで満員御礼。シネフィル部門やエクスパンデッド・シネマなど尖ったラインナップが魅力。
ほとんどが20代の観客で、熱心な質問攻めにうれしい悲鳴。プログラマーの方は「奥山順市さんのパフォーマンスも実現したかった」と。明日夜も別のシネコンで上映します 
A screening of my documentary FILM FETISH and a Q&A at a Jeonju Intl. film festival in Korea.






インディジナス 先住民に学ぶ人類学

4/21に、新著『インディジナス 先住民に学ぶ人類学』(平凡社)が刊行されます! 

狩猟採集民のムラブリ、インゴルド、タウシグ、クラストル、ロバート・ガードナーらについて「先住民」をキーワードに書いた初めての人類学論集です。
松本俊夫LSD論、アカマタ・クロマタ論、憑依芸能論などバラエティにも富んでます。
帯がムラブリになった珍しいデザインです。よろしくお願いします〜

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784582839203

My new book "Indigenous" will be published tomorrow.

 

『森のムラブリ』上映@北千住

新著刊行記念、4/22(土)泪橋ホールで『ムラブリ』上映会

ラオス
ムラブリフィールドワークについて書いた文章をおさめた書籍『インディジナス 先住民に学ぶ人類学』が出版。
刊行記念もかねてドヤ街・山谷で上映会があります。トークやサイン会もあり。

詳細 qr.paps.jp/ueScT

4月22日(土) 15時〜 料金1000円 学生500円
上映後、金子遊監督によるトークショー

住所  : 111-0021 東京都台東区日本堤2-28-10
営業時間:14:00~22:00
お問合せ:info@namidabashi.tokyo
     TEL 03-6320-4510





 

 

 

『ダルデンヌ兄弟 社会をまなざす映画作家』刊行

 

共著『ダルデンヌ兄弟 社会をまなざす映画作家』が、4/5から書店に並んでいます。『トリとロキタ』の上映館では先行販売中とのこと。
ドキュメンタリーマガジンneoneo叢書の第3弾で、若林良がひとり編者で創りきりました!

当方は「ムーズ川と製鉄所のけむり」という論考を寄せ、兄弟が育ったベルギーの工業地帯と、初期の社会派ドキュメンタリーについて論じてます。
詳細 http://webneo.org/archives/51121
Co-authors book "Dardenne Brothers" is available in bookstores from Apr 5.




キネ旬に『マリウポリ 7日間の記録』のレビュー

本日発売の「キネマ旬報」4月下旬号。松本零士さんの追悼号ですね
新作ドキュメンタリー『マリウポリ 7日間の記録』のレビューを執筆しました。タイトルは「半径100メートル以内の戦場」です。

リトアニア人の監督が戦火のマリウポリに入り、撮影を敢行。新ロシア派に殺害されたあとで、本作がいかにダイレクト・シネマとして完成されたのかを論じています。

kinejunshop.com/items/72399280



Art Anthropology 18号

多摩美の芸術人類学研究所が、年に1回刊行している紀要がわりの雑誌「Art Anthropology 」。
その18年目となる18号が、刊行されました。

当方はシンポジウムの収録のなかで、「旅の映画がたどる道」というタイトルで、映画『森のムラブリ』の国内外での上映の歩みの4年間を振り返りました。
それから「渚と森のフォークロア」という部門で、「呪術師を知る」という文章を書きました。ジャワ島の憑依芸能ジャティランを統べる、呪術師パワンへのフィールドワークをはじめて活字にしました。

https://www2.tamabi.ac.jp/iaa/publications/art-anthropology-18/