ヒトラーの贋札 ベルンハルト作戦 ①

johnfante2008-01-13

ヒトラーの贋札 [DVD]

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  • カール・マルコヴィクス
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史上最大級のニセ札事件「ベルンハルト作戦」
紙幣贋造を強いられた、ユダヤ系の技術者たち
自分の命を守るのか、家族や仲間を守るのか
歴史的事件のうらにかくされたストーリー(映画『ヒトラーの贋札』は1月19日より全国公開)
(右は当時の写真、後列左が著者のアドルフ・ブルガー)

贋札1兆円


1959年。ハンブルクの雑誌「シュテルン」が、かつてのナチの親衛隊員から、とある情報を聞きだした。それがきっかけで、この話は公に明るみに出たという。
戦時中、ナチスオーストリアのトプリッツ湖に9つの木箱を沈めたという。その湖に潜ったダイバーは、贋札や印刷原版、工具、機密文書が入った箱を発見した。
大量のイギリス・ポンド紙幣は、1億3460万ポンドに相当した。当時の価値で295億円、現在の価値だと1兆円以上にあたるものだ。


一緒にみつかった資料から、それら贋札は第2次世界大戦中に、ナチス・ドイツがイギリスの経済混乱を狙った「ベルンハルト作戦」のもとで、収容所内の紙幣贋造工場で作ったものだということが判明した。
プリッツ湖には、いまでも「ナチスの黄金」が眠るといわれ、トレジャー・ハンターたちが探索を続けている。


贋作師サロモン


1936年、ベルリン。賑わう夜の酒場で、サロモン・スモリアノフは自分の商売に忙しかった。
彼はその秀でた芸術的才能を利用し、身分証やパスポート、紙幣などあらゆる偽造を行う贋作師。捕まることを防ぐために、同じ国、同じ街には、けっして長く滞在しない。
サロモンはロシア生まれで、将来は偉大な芸術家になると周囲から期待されていた。それが20代半ばから贋作師として、国際的に暗躍しはじめた。同じ場所では仕事をせず、人間関係もつくらず、ヨーロッパを転々としながら、自分の欲望をみたす悪党。それが、サロモンの正体だった。


そんな彼にも弱点があった。その夜、サロモンはベルリンで美しい女性と一晩をともにした。翌朝、彼は捜査官のベルンハルト・クリューガーに捕らえられてしまう。
サロモンはユダヤ系だったので、ただちにマウトハウゼン強制収容所に送られた。彼はそこが犯罪者の送られる刑務所だと思っていたが、ほどなくしてそうではないことに気づく。
その場所では、囚人たちが次々と組織的に殺されていた。サロモンをはじめとして、囚われているのはユダヤ人ばかり。ナチスによるホロコーストがはじまっていたのだ。
地獄のような日々のなか、息抜きに描いたスケッチがナチス親衛隊の隊長に気に入られ、サロモンは彼らの肖像画プロパガンダの壁画を描く、お抱えアーティストとなって生き延びた。



ヒトラーの贋札」予告編


収容所へ

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