シネマの舞台裏2

Yu kaneko(批評家・映像作家)のブログ

シュガーランドの陰謀 ①

johnfante2009-02-21

48 Hours Mystery [VHS] [Import]

48 Hours Mystery [VHS] [Import]


テキサス州の郊外で、4人家族全員が銃で撃たれた残忍な事件。
左からバート・ウィッテカー、父ケント、母パトリシア、弟ケヴィン

幸福な家庭を襲う銃撃


テキサス州シュガーランド。
その町は名前の通り、中産階級から上流階級のホワイトカラーが暮らす豊かな街である。
その事件が起きた日に、幸福な家庭は、その甘い生活を滅茶苦茶にされてしまった。
2003年12月10日。
その日、ケヴィン・ウィッテカー(19)の兄のバート(23)が最終試験を終えたので、その大学卒業祝いのために、父ケント(56)と母パトリシア(51)の4人の家族は、そろって外へ食事に出かけた。
互いに会話を楽しみ、写真を撮って、両親は兄バートに卒業プレゼントを渡した。
それは高価な腕時計だった。ディナーの後、家族は家路についた。 
そこで、彼らは想像も及ばない恐怖にあった。幸福な家族にむけて、数発の銃弾が放たれたのだ。


銃撃を聞いてかけつけた、近所に住む第一発見者のクリフ・スタンリー(Cliff Stanley)によれば、最初もリビングルームで父親がひどく出血して横たわっているのを発見した。
それから、母親はまだ生きていたが、うなることで精一杯だった。
「何があったんだ」とクリフ。
「男が、私たちを撃ったのよ」とトリシア。
しかし、パトリシアは誰が犯人だかいわなかった。
兄バートが同じく肩を撃たれて横たわっており、弟のケヴィンはすでに息絶えていた。
父親と母親とバートの3人が病院に運ばれたが、母のパトリシアは亡くなってしまった。


事件の捜査


マーシャル・スロット(Marshall Slot)が担当刑事に任命されて、捜査を開始した。
家族がディナーから家へ帰ってきて、強盗に入っていた男を驚かせものだと考えられた。
スロット刑事が家を調べたところ、奇妙な点がいくつか見つかった。
物取りがベッドルームやドレッサーの引き出しを開けたようなのだが、どれも同じ長さで引き出されており、非常に秩序だって見えた。
また、ノートパソコン、宝石、電子機器など高価な品物が、もとにあった場所から動かされている様子がなかった
殺人に使われたと見られる銃は、家族が所有するものだった。
銃器入れが開けられていたが、それは家の隅の目立たない場所にあった。それはまるで、犯人がその場所をあらかじめ知っていたかのようだった。 



48 Hours Mystery - The Sugar Land Conspiracy


そこで、スロット刑事は強盗の線だけでなく、家族に恨みがある者がいないかを調べはじめた。
しかし、家族は完璧といってもいいほど幸福な生活を送っていた。
父ケントと母パトリシアの関係を洗っていくと、2人がブラインド・デートで知り合ったことが判明した。
そして、出会いから2ヵ月以内に2人は恋に落ち、結婚して2人の息子をもうけたのだ。
家族仲はうまくいっていた。
ケントは成功した会計士、パトリシアは小学校の先生。
兄のバートは成績がよく、ユーモアのある社交的な息子だった。彼は父親と自転車の趣味を共有していた。
一方で、弟のケヴィンは繊細なたちで、ティーンエイジャーらしい苛立ちを隠さなかった。
だが、怒りやネガティブな感情をすぐに忘れてしまう、次男らしい人のよさもあった。