シネマの舞台裏2

Yu kaneko(批評家・映像作家)のブログ

『One Shot One Kill 兵士になるということ』

johnfante2010-04-18

藤本幸久ら森の映画社によるドキュメンタリー『One Shot One Kill 兵士になるということ』が東京他で公開されている。
アメリカのサウスカロライナ州のブートキャンプ(新兵訓練所)における、3週間の新兵訓練の模様を記録した映画である。
藤本作品は丹念に追っているが、このドキュメンタリーは彼の映画のなかで間違いなく代表作になると思われる。
沖縄のアメリカ軍基地を再考する、現在の世相のなかにおいても非常にタイムリーな作品である。



『One Shot One Kill 兵士になるということ』の沖縄公開を伝える報道


ドキュメンタリー時評のなかで『One Shot One Kill 兵士になるということ』を扱ったので、興味のある方はお読みください。(下記はその引用です)
http://eigageijutsu.com/article/144404211.html



アメリカ軍基地の闘争において難しいのは、敵がアメリカ軍という国境を超えてネットワーク状に広がる組織体であるということである。
『One Shot One Kill―兵士になるということ―』で描かれるように、アメリカ軍の殴りこみ部隊である海兵隊では、全米から若者がかき集められ、サウスカロライナ州にあるブートキャンプ(新兵訓練所)などで訓練される。
それから、沖縄のアメリカ軍基地へ送られ、ときには北海道の演習場で軍事演習を行い、イラクアフガニスタンの戦場へと送り込まれる。


そのようななかで、闘争主体となる市民運動のあり方も、越境的且つネットワーク的にならざるを得ない。
現代の市民運動や反対闘争では、メディアやインターネットを通じて参加意思を持った人々がさまざまな地域から集まり、組織という単一性に還元されずに、多種多様性を保持ながら共同的な闘争をくり広げる。
『Marines Go Home 2008』では、辺野古の反基地闘争のために沖縄本島の地元民だけではなく、本州から若者や老夫婦が住み込みに来て、文字通り体を張って闘う姿がとらえられている。
彼らがインタビューを通じて表明する闘争に参加した理由も、さまざまである。


映画オフィシャル・ブログ
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