シネマの舞台裏2

Yu kaneko(批評家・映像作家)のブログ

小型吸血鬼ジェングロット ②

johnfante2007-03-16

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霊的な存在


1972年にジェングロットを発見した1人であるアバス・スギヨノ(Abas Sugiyono)さんは、彼らは「霊的に」のみ生きているのだという。
ジェングロットの髪や爪が伸びたのだが、肉体の方はだいぶ縮んできた。
彼によれば、ジェングロットは最初に発見されたときは25センチほどあったのに、現在は15センチほどになったらしい。



それぞれのジェングロットは35日に一回、1CCのO型の血液を吸収する。彼はそれをインドネシア赤十字から買っていた。
「何か食べさせる必要はありません。が、そのときが来たら、サンプルのボトルを開けるのです。彼らの霊がそれを吸い取るのだと思います」
ジェングロットが病院に持ち込まれたとき、若干の騒動が持ち上がった。病院の警備員であるウィヨノさんは、そんな生き物が存在するとは信じなかった。
「最初、それは鳥かコウモリだと思ったんです」と彼は言う。
「しかし、それは口に牙を持っていて、人間の死体のような変なにおいがしたんです」


本物の幽霊


マレーシアの公共ニュース機関であるベルナマは、2006年7月10日、次のような報道をしている。
「その生くさい悪臭は、本当にたえがたいものです!」
セランゴール博物館のディレクターであるモウド・ロトフィさんは言う。
同博物館では、10月4日まで、3ヶ月間にわたり、このジェングロットの展示を行っているのである。彼によれば、体温計をジェングロットに近づけると、その肉体における体温が変化していることがわかるのだそうだ。
「これは何らかのエネルギーを持っています。私が手で触れると、何か生成されているエネルギーのようなものを感じるんです。100パーセント死んだ状態ではないようです」


この所有者であるサフアン(Safuan)さんは、彼の収集品が、これまで人間にあまり見ることができなかったものが存在するという証拠だと考えている。
「これらの収集品は、人間が精霊やゴーストなどの存在をキャッチする、潜在能力を持つということの証拠だと思います」
彼は1986年にも、こんなコメントをしている。
最初に手にしたのは「ケリス」という、彼が代々先祖から受け継いだジェングロットだった。1986年に、彼は夢を通して、ケリスの世話をするめに選ばれたのである。それから、彼はジェングロットの収集をはじめたのだ。


研究者の仮説


マラヤ大学イスラム教の宗教哲学を教えるワン・アリ準教授は、その霊性の存在を強調する。
「これは本当に存在します。しかし、私たち人間が住む世界とは、ちがう世界に住んでいるんです。人間と精霊は2つの別世界にいます。人間が精霊に助けを請い、あるいは精霊が私たちの命に干渉することを妨げない限り、この2つの世界が、互いに衝突することはありません」
博士によれば、原則的に、精霊は人間の目には見えないとのことだ。
「彼らは見えないのです。ですが、彼らが私たちの世界に入ってくるとき、彼らは形を変えるのです。それがジェングロットなのではないでしょうか」



《参考》
Malay Mail記事など