シネマの舞台裏2

Yu kaneko(批評家・映像作家)のブログ

「埴谷雄高とかかわりのあった人たち」展

johnfante2010-05-26

福島県南相馬市にある「埴谷島尾記念文学資料館」にて、「埴谷雄高とかかわりのあった人たち 森泉笙子寄贈絵画展」が開催されている。



昨年の2009年、埴谷雄高氏は生誕100年を迎えた。
そして、埴谷雄高氏とかかわりのあった森泉笙子氏から、埴谷氏をモチーフとした絵画24点が資料館に寄贈された。
現在、在りし日の埴谷氏を描いた作品などを公開展示し、作品の題材となった写真などを展示している。
開催期間中は、松田政男氏(映画評論家)、森泉笙子氏(画家、作家)によるトークイベントなども行われる予定。
夏休みまで長期間開催しており、相馬市は風光明媚な海辺の町なので、ドライブがてら訪れてみるのもいい。


■期間 5月22日(土)〜8月1日(日)
■場所 埴谷島尾記念文学資料館(浮舟文化会館内)
■時間 午前9時〜午後5時
■料金 無料



森泉さんの油絵に描かれている埴谷雄高の肖像は、『死霊』『闇のなかの黒い馬』の作家とは思えないほど柔和で穏やかな表情のものが多い。
生前に交流のあった画家だからこそ描けた、埴谷雄高の素顔を知る上でも第一級の資料であることは間違いない。

画家・作家 森泉笙子(もりいずみ しょうこ)氏


〜略歴〜
1933年 東京に生まれる
1957〜58年 日劇ミュージック・ホール出演(洋舞踊)
1959年 関根庸子『私は宿命に唾をかけたい』光文社
1959年〜65年 「バー・カヌー」を経営
埴谷雄高は坂本一亀(坂本龍一の父)に連れられ、後に「よく通う客」になった。
 

森泉笙子」の筆名で小説を発表。森泉笙子」という名は埴谷雄高がつけた名であった。
〜作品〜
1970年 『危険な共存』河出書房新社 *
1984年 『天国の一歩手前』三一書房 *
1986年 『新宿の夜はキャラ色―芸術家バー・カヌー』   
     三一書房 *
1990年 『ブーゲンビレアの花冠』三一書房 *
2000年 『食用花深夜叢書社
2009年 『青鈍色の川』深夜叢書社
(*は、埴谷氏が跋文・推薦文を書いている作品)


〜画歴〜
1993年 油絵をはじめる
1996年 太陽美術展入選
2000年 太陽美術展会友となる
2002年 『自在圏』で会員となる
(以後フリーとして活躍)