三島由紀夫と『憂国』
- 出版社/メーカー: 東宝
- 発売日: 2006/04/28
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上は長年「幻のフィルム」となっていた映画『憂国』のDVD。
『憂國』は1965年に撮影され、翌年公開された28分の短編。
三島本人が原作・監督・主演を務めた。
白黒で一切台詞は無く、 全編にワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」が流れている。
アングラ映画、実験映画としても出色の出来。
(右の写真は『憂国』で青年将校に扮する三島由紀夫)
公開時は、豚の内臓を使った切腹シーンの衝撃で失神する観客もいた。
自決を予告?三島由紀夫の映画「憂國」フィルム発見
作家・三島由紀夫(1925〜70)が陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地で行った割腹自殺を、自ら予告するように監督・主演していた映画「憂國」(66年公開)のネガフィルムが、東京・大田区の三島邸で発見され、18日までにDVD化を含む公開が決まった。
氏の死後、瑤子(ようこ)夫人の強い希望で全巻焼却処分されたと公表されていた“幻のフィルム”の発見に、映画評論家の佐藤忠男氏(74)は、「割腹を明らかに予告した作品。どこまで芝居でどこから本気だったのか。三島という謎を解く鍵になる。公開されれば大きな反響を呼ぶだろう」と話している。
発見されたのは35ミリフィルム約40巻。
気密性の高い大型の茶箱をテープで密封し、自邸倉庫奥にしまわれていたのを、製作時プロデューサーを務めた藤井浩明氏(78)が発見、内容確認した。
傷やカビからも免れ、完璧(かんぺき)な状態であるという。
「憂國」は61年に発表された同名小説を三島氏が脚本、製作、監督、主役まで務めた30分の短編モノクロ映画。
セリフは一切なく、字幕とワーグナーの音楽が流れる能舞台のような場景の中、2・26事件に参加できなかった中尉が妻の目前で切腹し、妻も後を追う。
(読売新聞記事より全文)