シネマの舞台裏2

Yu kaneko(批評家・映像作家)のブログ

300人を殺したギュスターヴ ③

johnfante2010-03-05

生け捕り


地元の人々によると、多くの人がギュスターヴを殺そうとして失敗してきた。
動物保護団体はギュスターヴを保護すべきだと主張している。ファエ氏も同じ意見だ。
「ギュスターヴを殺すなんて言語道断です。捕獲して科学的な研究の対象にすべき現象であって、ただ殺すだけなんて恥ずべき考えです」
どの道、ギュスターヴを捕えることは難しいようだ。


「私は彼を捕るために、罠を製造しました。長さ10メートル、幅2メートル、高さ1.5メートルのものです。巨大な罠です。40人の男たちが、それを輸送するのに必要でした。私たちはそれをルジジ河に入れて、餌を中に置き、一晩中カメラで監視していました。でも、失敗でした。ワニどもは人間をからかうように、わざとケージの外側をパレードしていました。どうしても生きたまま捕えることができないんです。私はブルンジ共和国とギュスターヴの存在を、世界中に知らしめるためにも、何とか生け捕りにしたいと考えています」
しかし、凶悪な殺人鬼はいまだ自由なままでいる。



※ギュスターヴを生け捕るプロジェクト「Gedeon Programm」がフランス人チームによって始められているが、これまでのところ(2003年5月の試みなど計2回)は失敗している。
2006年11月、ギュスターヴはしばらくぶりで目撃され、生存が確認されたが、その後の大雨で再び姿が見えなくなったという。


似たような事件


2003年7月、コンゴの Pointe Noire で射殺されたナイルワニ。長さ4.9m、体重860kgといわれる。
年をとって(推定50歳)野生の動物が捕らえられなくなり、人を襲うようになったため退治されたという(下写真)。



2005年3月、ウガンダビクトリア湖で83人を殺したと言われる人食いワニが生け捕りにされた。
このナイルワニは長さ5m、体重1tといわれ、'80年代から人を襲っていた。
レンジャー、漁師たちが数十人のチームを編成し、3日間かけてワニを追跡し、ロープと網で捕まえた。
地元の住民はこの推定60歳以上の老ワニを殺すことを望んだが、UWA(Uganda Wildlife Authority)は3月7日に、首都カンパラ近くにある Buwama crocodile farm に移送した。
作業は速やかに行われたが、これはワニが住民に報復される危険があったからだという。
ビクトリア湖ウガンダ側では人口が増えるとともにワニによる被害も増加している。