グリズリーマン①

johnfante2006-06-21


「Grizzly Man」(2005)
  キャスト:ティモシー・トレッドウェル、ヴェルナー・ヘルツォーク 
  監督・脚本:ヴェルナー・ヘルツォーク
  全米公開:2005年8月12日/日本公開予定:2006年
  上映時間:103分


 グリズリー(灰色グマ)研究家のティモシー・トレッドウェルは、14年にわたってアラスカの奥地で、夏の間、野生のクマを観察し続けた。 
 決して武器を持たず、クマや野生動物と心を通わせる様子を自作のドキュメンタリー映像や写真集に収め、彼らを捕獲する人間に向けて野生動物保護を訴える。
 危険を承知でクマに近づく彼に共感と反対の世論が降りかかる中、ついに悲劇の日がやってくる…。
 一筋縄ではいかないラストは、さすがはヘルツォークと唸らされる。傑作の呼び声が高いなかで、あまりの残忍さにアカデミー賞からも無視された邪悪な作品。

グリズリー(灰色グマ)とは

アメリカのヒグマのことで、英名はグリズリー・ベアという。別名ハイイログマは、西部開拓時代を舞台にしたアメリカの物語に頻繁に登場する。
そこでは危険な猛獣、恐ろしいクマとのイメージがあり、Grizzly(灰色がかった)から Grisly(ぞっとする、ものすごい)の名があてられることが言葉の起源である。
 学名は Ursus (arctos) horribilisで、 恐るべきクマという意味を持つ。実際には毛色は灰色から赤褐色まで変化に富んでいる。主な特徴は逞しく盛り上がった肩と時に15cmにもなる長い爪だ。身長は大きいもので2〜3メートル、体重は200キロ〜500キロにまでおよぶ。
えさの少ない環境に生息するためか、気性が荒い。単独あるいは母子2〜3頭で行動し、群れはつくらない。雑食性で、シカやバイソンを食べた例も報告されている。家畜を襲うこともあり、1904年にはコロラドで35年に渡って近辺を徘徊し、800頭以上のウシを殺したクマが殺された。

ティモシー・トレッドウェル


ティモシー・トレッドウェル(1957-2003)はニューヨーク生まれのクマ狂いであり、動物学者であり、環境保護の活動家であった。
また、グリズリー・ベアを負い続けた写真家、そしてドキュメンタリー作家としても知られている。
13年間にわたり、アラスカのカトマイ国立公園に通い続け(夏の間の3〜4ヶ月)、野生のグリズリーたちと共に生活をした。
環境保護の活動家になる前のティモシーの人生については、彼自身がいくつかの文章に書き残している。
『チアーズ』というTVのホームコメディの役を取るために、ウディ・ハレルソンと最後まで争ったほどの野心的な俳優であった時期もあり、その失敗から、アルコール中毒や麻薬常用におちいって、辛酸をなめたこともあった。
人生最悪の時期から回復するのに、一役を買ったのがヒグマとの出会いであった。

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